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習近平が東南アジアを訪問 小国を引き込んで対米抗争?

2025/04/16
更新: 2025/04/16

米中関税戦争が激化する中、中共党首 習近平は14日からベトナムなど東南アジアの3か国を訪問している。これらの国々は中共製品の原産地偽装の重点国とされており、分析によれば中共の狙いはこれらの国々を引き込んでアメリカに対抗することだが、内憂外患を抱える中共にとって、その目論見は失敗する可能性が高い。

習近平は14日、ベトナムに対して2日間の「国賓訪問」を開始し、その後、15日から18日にかけてマレーシアとカンボジアを訪問する。

米中関税戦争の真っ只中、習近平の訪問は世間の注目を集めている。

台湾・南華大学国際企業学部の孫国祥教授は、「トランプ2.0時代の背景のもと、米中関税戦争が激化し、東南アジアのベトナム、マレーシア、カンボジアの中共に対する重要性はそれぞれ異なり、地政学的、経済的、政治的な役割を果たしている」と述べている。

トランプ大統領が4月2日に発表した「相合関税」計画では、東南アジアの多くの国が高関税に直面し、特にベトナム、マレーシア、カンボジアにはそれぞれ46%、24%、49%の関税が課された。しかし、ベトナム共産党のトー・ラム書記長は4日夜にトランプ大統領に電話をかけ、「ゼロ関税」を求め、トランプ大統領もその後、両者の通話が「有意義だった」と語った。

トランプ氏は9日に相合関税の実施を90日間停止すると発表し、その後、ASEAN加盟国もアメリカに対して報復措置を取らず、貿易対話を開始する意向を示した。

習近平の今回の訪問により、これらの国々が米中の間でどのようにバランスを取るのかが、外部から大きな注目を集めている。

孫国祥氏は次のように述べている。

「現在の関税と経済の困難の中で、中共はこの3か国に依存し始めていることが明らかだ。特にベトナムは、転送ルートや関税回避の避難所として機能しており、中国製品はベトナムを経由して原産地を偽装し、アメリカに再輸出されている。その結果、アメリカから厳しい制裁を受けている。多くの中国資本企業がベトナムに工場を移転し、共存と競争が同時に進行している経済現象が見られる。将来的には、ベトナムは非常に慎重に行動し、アメリカとの交渉による減税を模索しているものの、中共との決裂は望まず、微妙なバランスを保とうとしている」

現在、中共は内憂外患を抱え、関税戦争が始まる前から中国経済は深刻な低迷を続け、民衆の不満が高まっている。

分析によれば、二重の危機に直面する中共は、一方で強硬な姿勢を示し、中国経済の惨状を米国のせいにし、他方で東南アジアの小国を引き込んでアメリカに対抗しようとしているが、その最終的な目標は失敗に終わる可能性が高い。

『天亮時分』の司会者、章天亮氏は次のように述べている。
「習近平の戦略は、米国を架空の敵として設定することだ。これは中国共産党の常套手段で、ナショナリズムを使って対立をそらすことだ。こうすることで、習近平は自らの失敗した経済政策を米国のせいにすることができ、不動産やEC、教育産業など、彼が壊したすべての産業を今や米国の中国封じ込めのせいにするのだ」

孫国祥氏は次のように述べている。
「しかし、実際のところ、東南アジア諸国は概して中国側につくことを避けており、中共に対しては表面的には友好的でありながら、実際には距離を置いている。中国が本当に何かを望むのであれば、実質的な経済援助や市場開放を提示する必要があり、国賓訪問に頼るだけでこの地域の方向性を逆転させることは難しいだろう」