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UBSが中国のGDP成長率を下方修正 対米輸出の急減を予想

2025/04/16
更新: 2025/04/16

スイスの銀行UBSは15日、報告書で、米中間の関税引き上げを前提に、中国共産党政府がさらなる経済刺激策を講じることを考慮し、2025年の中国のGDP成長率予測を3.4%に引き下げたと発表した。

このスイスの投資銀行は、今年の中国の経済成長率を4%と予測しており、2026年の成長率は3%を維持するとしている。

ロイター通信の報道によれば、スイス銀行は今後数四半期にわたり、中国の対米輸出が三分の二減少すると予測しており、2025年には中国の全体的な輸出(米ドルベース)が10%減少する見込みだ。この予測は、アメリカ及び世界経済の成長鈍化の影響を考慮に入れている。

スイス銀行は「今後数か月の間に、中国の他の貿易相手国も中国製品に対する関税を引き上げる可能性があると考えているが、それは特定の製品に限られ、アメリカの関税と同じ程度にはならないだろう」と述べている。

また、スイス銀行は、米中間の関税がどのように変化するかを予測することは非常に困難であるとしつつも、両国が今後1、2か月の間に最近の一部の関税引き上げを撤回するための議論や交渉を行う可能性があると述べている。

現在、トランプ政権はすべての中国製品に対して20%の関税を課し、さらに125%の対中関税を追加している。しかし、11日、トランプ大統領はスマートフォン、コンピュータ、チップなどの電子製品に対する相互関税を一時的に免除し、今後はチップなどに対して国家安全保障関税を課す意向を示した。また、中国はアメリカの商品に対する関税率を84%から125%に引き上げた。

さらに、ブルームバーグの報道によると、ゴールドマン・サックスは、最大2千万人、つまり中国の労働力の約3%がアメリカへの輸出に影響を受ける可能性があると推定している。ゴールドマン・サックスのアジア太平洋経済学者で新興市場経済研究の責任者であるアンドリュー・ティルトン氏を中心とした経済学者たちは、報告書の中で「アメリカの非常に高い関税、アメリカへの輸出の急減、そして世界経済の減速は、中国経済と労働市場に大きな圧力をもたらすと予想する」と指摘している。

シティグループは8日、2025年の中国のGDP成長予測を4.7%から4.2%に引き下げた。その理由は、外部リスクの上昇と最近の緊張の高まりを受けて、アメリカと中国が合意に達する可能性が低いと考えられるためだ。

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