4月12日未明、中国広西チワン族自治区の容県(ようけん)にある商業街で大規模な火災が発生し、通りの半分を焼失した。
現場を映した動画では、深夜に突如発生した炎が建物を次々と飲み込んでいく様子が確認され、焼け跡には数多くの電動バイクや瓦礫が残されていた。複数の建物が全焼し、骨組みだけを残して崩れ落ちる惨状となった。
数日後、火災被害者の一人が、SNS上に火災当時の動画を公開し、「火災の原因は隣の家のEV(BYDメーカー)車で、充電中に爆発が起きた」と主張した。同市民によると、一家は爆発音で目を覚まし、命からがら窓から脱出に成功したが、わずか10分で自宅が全焼したという。
隣の家の駐車場には、焼けこげたEVのフレームと刺したままの充電ケーブルだけが残っていたという。
(火災当時の様子)
この大規模火災について、一部の中国メディアは報じているが、現地当局は「火災は新エネルギー車とは関係ない」との立場を表明。消防も「詳細は公表できない」とコメントし、周辺の商店主らもメディアに対し、「答えられない」と発言を避けている。
現地では報道統制や箝口令が敷かれているとみられ、ネット上では「沈黙自体が答えだ」と嘆きが広がった。
中国政府が重点支援する国産EVメーカー、過去にも中国産EVによる事故が多く報告されているが、いずれも官民一体で報道を抑制してきた経緯があり、今回の火災についても、真相究明がどこまでなされるのか、多くの疑問が残るだろう。
命を奪う火災の背後に、火元よりも深い「沈黙の闇」が広がっていた。
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