中国共産党党首・習近平は、4月14~18日にかけて、ベトナム、マレーシア、カンボジアの東南アジア3か国を相次いで訪問し、米中間で関税をめぐる対立が激化する中での習の歴訪は、地域における中国の影響力拡大を狙った動き、また、小国を取り込むことで、米国との対立構図を有利に進めようとしている意図があるとみられている。
習は4月15日、マレーシアに到着し、事前にマレーシアへ運ばれた中国製防弾車「紅旗N701」に乗り、厳重な警備のもと市内を移動した。
習が移動する際は、道路は封鎖され、大勢の警察が動員されるなど異例の厳戒態勢が敷かれた。
現地では、習の来訪を受けて中国共産党(中共)が制作したプロパガンダ番組が大々的に放送され、「まるで北朝鮮のようだ」と政府の対応に対する民間の反感が強まった。
マレーシアは中共の「一帯一路」構想に参加しており、経済的な依存度が高い。しかし、中国不動産大手・碧桂園による現地での開発プロジェクトが「ゴースト化」し、現地で批判を集めた。
習の訪問をめぐり、マレーシアの人気歌手であるNamewee(黄明志)氏がSNSで強く批判。Namewee氏は、習を「作り笑いをした敵」と呼び、「マレーシア人は目を覚まして! 彼がマレーシアにもたらした侮辱を忘れるな! 国の尊厳を再び踏みにじらせてはならない」と呼び掛けた。
習のマレーシア訪問は、中共への警戒を改めて呼び起こす結果となった。


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