【ニュースレターが届かない場合】無料会員の方でニュースレターが届いていないというケースが一部で発生しております。
届いていない方は、ニュースレター配信の再登録を致しますので、お手数ですがこちらのリンクからご連絡ください。

中国共産党 新型コロナ流行を早期把握か 米国防総省報告書が示す隠蔽疑惑

2025/04/18
更新: 2025/04/18

アメリカの国防総省の新たな報告書により、中国共産党(中共)が新型コロナウイルスの流行を早期に把握していた可能性や、情報隠蔽の疑いが再び注目を集めた。武漢で開催された世界軍人運動会や、その直前の感染訓練、李文亮医師の内部告発など、公式発表前からのウイルス拡大を示唆する複数の事実が明らかになった。

報告書によれば、2019年10月に武漢で開催された「第7回世界軍人運動会」に先立ち、武漢天河空港では、新型コロナウイルス感染者の発見と処理を想定した緊急対応訓練が実施された。この訓練では、感染例の確認から隔離・検査、患者搬送、衛生処理に至るまで、実戦形式での全過程をシミュレーションしたと言う。

武漢世界軍人運動会と米軍人の感染症状

2019年10月18日、武漢で第7回世界軍人運動会が開幕し、10日間にわたり競技が行われた。109か国から9,308人の軍人が参加し、過去最大規模の国際軍事スポーツイベントとなった。

アメリカ代表団は、200人以上を派遣しており、うち7人が大会期間中またはその直後に「COVID-19に類似した症状」を呈した。これらの軍人は全員、6日以内に回復しており、症状は軽微であった。当時はパンデミック初期で検査体制が整っておらず、コロナウイルス検査は実施されていない。また、報告書ではこれらの症状について「他の呼吸器感染症と関連している可能性」を指摘した。

この報告書は、2022年12月に作成され、2025年3月に国防総省の公式ウェブサイト上で公開され、これにより、新型コロナウイルスの実際の感染拡大時期が、中国当局の発表(2019年12月)よりも早かった可能性がさらに強まった。

世界軍人運動会前に実施された新型コロナ感染訓練

さらに注目すべき事実として、世界軍人運動会の開催直前となる2019年9月、武漢天河空港で、「新型コロナウイルス感染者の出現」を想定した緊急対応訓練が行われた。この訓練の存在は、中共が当時すでに新型コロナウイルスの存在を把握していた可能性を示唆するものであった。

『湖北日報』の報道によれば、9月18日に武漢天河空港で航空専用通路の開通テストを兼ねた訓練が実施され、武漢税関と世界軍人運動会執行委員会が共同で運営にあたった。訓練は、空港の出入国通路において感染者を発見したという想定で行われ、疫学調査、医学的検査、臨時検疫区域の設置、隔離、搬送、衛生処理などの対応手順を一通り実施した。

この訓練の実施は、外部に対し重大な疑念を呼び起こし、2019年9月という早い段階で中共が新型コロナウイルスの存在を把握していたのであれば、なぜその事実を公にしなかったのか? なぜ、模擬訓練という形で対応体制を整えていたのか? これらの点が、今なお多くの謎を残していた。

武漢での初期感染と中国内部文書の証拠

空港での訓練に加えて、2020年初頭には、中共の内部文書2通がネット上に流出した。これらの文書は、中共軍および公衆衛生システムが2019年末の段階で、すでに武漢において原因不明の肺炎症例を把握していた事実を明らかにした。1通は中共海軍工学大学から発せられ、もう1通は、上海市復旦大学付属公衆衛生臨床センターから出されたものであった。

中共海軍工学大学警通勤務連は、2020年1月2日、「外来者の校内立ち入り厳格管理に関する通知」を発表した。この通知により、中共海軍が2019年末の時点で武漢における異常な防疫状況を把握し、「2019」298号防疫文書を発行していた事実が判明した。また、中部戦区総医院もこの情報を共有していた。

復旦大学付属公衆衛生臨床センターの文書も同様の内容を含み、武漢での感染拡大が公式発表以前に、始まっていた可能性を裏付けていた。

中共が真実の告発者を弾圧

中共は再び、真実の伝達者を、弾圧する体制であることを露呈した。複数の状況証拠が示すように、中共は流行発生前の段階で、ウイルスに関する情報を把握していたにもかかわらず、その情報を国民に公開せず、最初に警鐘を鳴らした医療従事者や市民を弾圧した。この対応により、本来であれば制御可能であった感染拡大は、意図的な隠蔽によって、世界的な大災害へと発展したのだ。

武漢市中心医院の眼科医・李文亮医師は、2019年12月30日、WeChatの友人グループ内で原因不明の肺炎が武漢で発生している事実を警告した。その際、検査結果や情報の拡散に注意を促したが、情報は瞬く間に広まった。その直後、武漢公安は李文亮医師に対して訓戒処分を下し、「デマを流した」と非難した。他の8人の医師も同様の処分を受けた。

2019年12月30日、武漢市衛生健康委員会の内部通知がネット上に流出し、「原因不明」の肺炎が発生している事実が明るみに出た。

翌日の12月31日、武漢市衛生健康委員会は初めて公式に感染状況を公表し、市内で27例のウイルス性肺炎が確認されたと発表した。そのうち7人は重症とされた。

2020年1月8日、李文亮医師は、緑内障の女性患者を診察した後に感染し、入院した。1月30日には新型コロナウイルス感染の診断を受けた。

2020年1月20日、習近平を含む中共の高官が初めて公に感染拡大について言及し、1月23日には武漢を封鎖した。しかし、すでにその時点で状況は手遅れとなっており、感染は制御不能な状態に陥り、複数の国や地域へと広がった。

李文亮医師は、2月6日の夜、命を落とした。この出来事は、中国社会に深い哀悼と激しい怒りを引き起こした。

方暁