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トランプ氏 イタリア首相と会談 EUとの貿易協定に自信示す

2025/04/18
更新: 2025/04/18

4月17日、トランプ米大統領は、イタリアのメローニ首相をホワイトハウスに迎え、貿易や安全保障など幅広い分野で意見を交わした。両首脳は、欧州連合(EU)との貿易合意の可能性について自信を示し、経済・外交両面での連携強化を確認した。

トランプ氏は「我々は誰もが欲しがるものを持っている。ヨーロッパでも他の国でも、合意を結ぶのに問題はない」と述べ、アメリカの経済力を背景に交渉で優位に立てるとの認識を示した。

また、中国共産党(中共)政権による関税強化や他国との連携についての懸念を一蹴し、中共とも非常に良い合意を結ぶことになるだろうと語った。

会談に先立ち、メローニ氏は記者団に「私は合意を実現するために来た」と述べ、米欧間の貿易摩擦の緩和に貢献する意欲を表明。トランプ氏も「メローニ氏はイタリアで素晴らしい仕事をしている」と評価した。

会談後、両首脳はホワイトハウスで記者の質問に応じた。メローニ氏は、トランプ氏が「近い将来」のイタリア訪問を受け入れたことに感謝を表明。また、両者は不法移民対策や、いわゆる「ウォーク思想」「DEI(多様性・公平性・包括性)イデオロギー」への反対姿勢で一致していると述べた。

「私の目標は、西洋を再び偉大なものにすることだ。それはトランプ大統領とともに実現できると信じている」と述べた。

さらに、アメリカからの液化天然ガス(LNG)輸入を拡大する方針を表明。

ホワイトハウス高官は、「今回の訪問は、米伊間の強固な二国間関係に基づくだけでなく、メローニ首相が欧州における重要な存在であり、移民問題やウクライナ戦争など多くの課題で大統領と意見を共有していることにもよる」と述べた。

アメリカは2024年、EUとの貿易で2356億ドルの赤字を計上し、前年より13%増加した。これを受けてトランプ氏は4月、ほぼすべての国に一律10%の基礎関税を導入した。EU、日本、台湾、韓国などにはそれ以上の関税が上乗せされた。ただし、交渉の意向を示した国には、追加関税を90日間猶予する措置を取っている。

EUは現在、アメリカから自動車への25%の関税、鉄鋼とアルミニウム製品への25%の関税、そして一律10%の関税を課されている。これらの高関税によって特に大きな影響を受けている欧州製品は、医療機器や医薬品、自動車、各種機械製品などである。中でもドイツ、アイルランド、イタリアの対米貿易黒字は他のEU諸国を大きく上回った。

メローニ氏は、「厳しい局面であることは承知している。私は自分が何を代表し、何を守るべきかを理解している」と語り、建設的な米欧間の交渉に貢献する姿勢を示した。

トランプ氏の就任式が行われた2024年1月20日、メローニ首相は唯一出席したヨーロッパの首脳として注目を集めた。また、就任前にはトランプ氏の招待でフロリダ州の私邸マー・ア・ラゴを訪れ、夕食を共にしたほか、支持者向けのパネルディスカッションにも参加している。

NATO国防支出とウクライナ支援をめぐる協議も

今回の会談では、NATO加盟国の防衛費増額についても議論した。トランプ氏は、加盟国に対してGDP比最大5%の支出を求めているが、イタリアは現時点で約1.5%にとどまっており、NATOの目標である2%を下回っている。

メローニ氏は会談で「次回のNATO首脳会議で、イタリアが防衛支出を2%に引き上げたことを発表する」と表明。ホワイトハウスによると、NATO31か国中、現在も8か国が目標未達だという。

メローニ氏は「ヨーロッパ全体がより多くの責任を果たすべきだと認識している」と述べ、加盟国間の連携強化に前向きな姿勢を示した。

また、NATOの集団防衛を定める「第5条」の適用範囲を、ウクライナにも拡大する案についても、協議が行われる可能性があった。これはウクライナの加盟を伴わずに、第5条の保護を適用するというものだが、トランプ氏がこの案に否定的だと、会談前にホワイトハウス関係者が明らかにしている。

最終的に、この提案については両首脳とも会談後の記者対応では言及されなかった。

Emel Akan
エポックタイムズのホワイトハウス上級特派員、トランプ政権担当記者。 バイデン前政権とトランプ第一次政権時は経済政策を担当。以前はJPモルガンの金融部門に勤務。ジョージタウン大学で経営学の修士号を取得している。
カリフォルニアを拠点とする熱心な読書家であり、ジャーナリズムである。大紀元の金融、政治、州議会、そして速報ニュースを担当している。