中国各地で広がる「罰金経済」が、再び世論を騒がせている。
4月11日、河南省新郷市の草木も生えていない荒地にある市民が、自動車を駐車したところ、「違法駐車」と切符を切られたと中国メディアが報じた。
問題とされた「違法駐車」の現場は、舗装もされていない土の道で、周囲には建物もなければ妨げになりそうな「交通」は全くなかったという。
荒野へ車をとめた市民は、「ここに車とめて、どこが違法なのか」と、とても納得できない様子だ。
この件を取り上げた中国メディアが、切符を切った現地当局に問い合わせたところ、以下の返答が返ってきた。「その場所は高速鉄道のトンネルの入り口であり、荒野ではなく農地だ」
当局の主張に「どこが農地だ? 草も生えていない」「トンネルはどこ?」といった反論の声が相次いだ。
実はこのような「理不尽な罰金」が、全国に蔓延している。昔から「交通警察の暴走」はあったが、近年では「罰金を稼ぐため」に、ここまでやるのかと驚きを禁じ得ないケースも少なくない。
例えば、駐車可能エリアに置かれた車を、ドライバーが車を離れた隙に、フォークリフトで駐車禁止の場所に移動させ、罰金を徴収するケースも実際にあった。
このような、「そこまでやるのか?!」と日本の常識では全く理解できないことを本当にやってのけるのが、中国の交通警察である。つまり、違反を「作り出して」でも稼ぐのだ。
一部「被害者」は当局に抗議をするも、「線が引かれていない場所は全て違法」と一蹴されたという。
こうした理不尽にして、強引な罰金徴収が横行する背景には、中国地方政府の深刻な財政難があるのだ。
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